
信州大学医学部歯科口腔外科:全人的医療を目指す歯科医師育成プログラム
長野県
国立大学法人 信州大学医学部附属病院
信州大学医学部歯科口腔外科教室の酒井洋徳先生に、初期臨床研修プログラムの特徴や強みについてお話を伺いました。
歯科医師としての人間形成から、専門性の高い口腔外科診療、そして地域医療を支える一般歯科診療まで、多角的な視点から研修医を育成する信州大学の取り組みに迫ります。
Q1: まず、貴院の研修プログラムの全体的な特徴についてお聞かせください。
酒井先生:信州大学の初期臨床研修において最も重要なことは、歯科医師にふさわしい人格を養成することだと我々は考えております。医療に対する基本的な考え方や治療を実践する場合の基本姿勢および技術を、当プログラムでぜひ学んでほしいと考えています。
Q2: プログラムの期間はどのくらいでしょうか。
酒井先生:プログラムの期間は2年間になります。主に信州大学の医学部附属病院で研修を行うプログラムと、2年間のうち半年間の研修を協力型の研修病院で行うプログラムがあります。医学部の附属病院の歯科口腔外科での研修では、一般歯科診療の研修に不安を持つ学生さんが非常に多いため、2年間のプログラムのうち1年目のうちに、協力型施設の病院歯科並びに歯科医院で一般歯科診療のみ研修する期間も設けてあります。
質問3: 研修中の指導体制について教えていただけますでしょうか。
酒井先生:指導体制は、もちろん各研修施設には臨床研修指導医が常勤でおります。また、各関連学会の専門医、指導医も多数在籍しているため、様々な視点から常に診療の中心に患者さんを置きながら研修を進めていただきます。
質問4: 年間のスケジュールについて教えてください。
酒井先生:信州大学の歯科研修プログラムの方を例にお話しさせていただきますが、まず4月から9月の間、おおむね半年間は、1カ月サイクルでマンツーマンの研修が主となります。指導医が例えば外来診療日であれば外来の研修、手術日であれば手術室での研修というふうになります。
それと並行してカルテの書き方や外来診療の進め方、採血やラインキープ等の相互実習などがあり、これらには各指導医が担当します。また、当院の研修の大きな特徴は、医科研修医と合同でセミナーに参加したり、勉強会に参加したりといった研修がある点です。そして後半は外来診療と病棟診療、2か月ずつの専門的な研修を行い、さらに1ヶ月から1ヶ月半程度は協力病院と歯科医院で一般歯科診療の研修となります。
質問5: 扱う症例の数や種類についても教えていただけますでしょうか。
酒井先生:これは研修医の先生方によって症例数は非常に違うんですけれども、大体外来、そして手術につながっていく基本はやっぱり歯を抜くことになってきますので、抜歯の研修が非常に多いです。 2年間の研修が終われば、普通の抜歯は通常一人で完結できますし、通常の水平埋伏抜歯であればほぼ一人で完結できるような状態になります。
質問6: 院内の設備や機器の状況について教えてください。
酒井先生:設備や機器なんですけれども、これも先に述べたように大きな特徴は、研修医専用の卒後研修センターが医科研修医と合同の部屋になっている点です。ですので、研修センターや実習室は、いつも歯科研修医だけではなく、医科研修医とともに研鑽をしていくというようになります。ここでの医科研修医との研鑽が、その後、医療人として生きていく上で非常に大きな礎になっていくと、皆ここで研修を済ませていただいた先生方がのちのちそうおっしゃっています。